夜空に瞬く白糸

とあるツイッターユーザの「ツイートが140文字余裕で超えそうだな」って文章を垂れ流すブログ

イメージする力

 

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昔遭遇した奇妙なお話です

 

大学時代の時所属していた研究室の教授がある日「知り合いにロゴのデザイナーがいるから研究室のロゴを作りたい」と言って研究室のロゴを作ることになった。

「ついでに良い経験だからデザイナーさんにちょっと時間貰って話してもらうからね。僕と違って面白い人だからw」と(スターウォーズオタクで十分面白い)教授が気を利かせて話を聞かせてもらう機会を得ることができた。

曰くそのデザイナーさんは、愛知にある全国的に有名な建造物のロゴを担当した人らしい。一生で出会うかどうかわからない貴重な人物からのお話なのでありがたく聞かせてもらうことになった。

 

当日、デザイナーさんからのデザインのプレゼンもそこそこにデザイナーさんのプチプチ公演が始まった。(ちなみにロゴのクオリティは確かだった)

デザイナーさんはおばさん…というよりは「若い感性を持ったまま50くらいまで年を重ねたお姉さん」という感じであまり年を感じさせない綺麗な方だ。

 

「私はね、いつもイメージを重ねるの。そのために『あの人はどういう人だろう』っていつも考えるのよ。これが結構当たってたりするの」と言い出し自分の隣にいたK君を見つめて考え始めた。

おいおいマジで言ってるのかこの人。心理学のリーディング技術であたかもその人のことを分かった風になる技術ならTRICKで見たけどこの人見てるだけで本性当てようとしてるぞ。やっぱり霊能力は本当にあったんか?

なんて思ってるとついに一言「剣道部とか所属してそうだよね」とつぶやいた。K君は豆鉄砲を喰らった顔をしていた。当たっているのだ。

 

こっわ……(本音)

 

確かにプロのデザイナーというのは、流行を感じとる桁違いの感性とか魅力的だと思わせる造形感覚や色彩感覚などなど数値にできないものを相手に己のセンスだけで戦ってそれで飯を食う超大変な仕事だ。いつも神絵師には頭が上がらない。

だが、そのセンスがプロ級にまで上り詰めるとその人の人となりを、風貌である程度理解できるということを目の前で見せつけられてしまった。恐ろしい……。

 

お姉さんは続けた。「小さいころレゴブロックとかそういう知育玩具で遊んでそう」これも当てた。K君は研究室で唯一あのレゴランドに行くほどのレゴ好きなのだ。

これがデザイナーの勘…?俺はかなり動揺した。

 

女の勘について考察したことがある。この考察は最終的に「多分女性は小さい情報でも頭の片隅に無意識に記憶することによって、勘を働かせるときに無意識にこの小さい情報を引き出しつなぎ合わせて答えを出すから妙な正答率をたたき出しているのではないか?」という結論になった。

この人の勘はどう考えてもそれを逸脱している。上田教授と山田をこの大学に呼んだ方がいい。

 

コツはないらしいのだが「いつも物事を考えるときにあえてオーバーに考えたりして発想を広げている」ことで発想力を鍛えることができるとかなんとかだという話は聞いた。

この霊能力的感性は「デザイナーの持つ感性に女性の勘が合わさったもの」だという結論に俺の中でなった。とてもじゃないが俺が発想力を鍛えたところでこの芸当ができるとは思えん。

 

とはいえ、常に発想を広げる力というのは確かに重要かもしれん。特に顧客向けて最適なソフトウェアとかサービスを提供する仕事とかする人には(俺も含めて)あるとかなり助かる能力なのかもしれない。

 

プレゼンを勉強している時、プレゼンに大事なのは「相手が本当に欲しい情報を渡すこと」が大原則だと学んだ。そもそもこの「本当に欲しい情報」というのは相手の知識量、相手の目標、相手のいる環境を元に探り当てる必要があるのだが、この情報だけで本当に欲しい情報を求めるのが難しい時がある。

これは恐らく発想を広げる力の欠如にある。相手のことをイメージ出来ないから渡すべき情報も分からなくなるのだ。ここではプレゼンを例にとったけど他の仕事でも似たことはあるはず。

 

というか詰まるところこれ「人を思う力」スキルツリーの派生先にあるのかな?人を思うスキルポイント溜まると人となりを見破れる力が使えるようになる的な。

つまり、イメージ力は人を豊かにするだけじゃなくて仕事で成果を生み出すのにも必要と言うことか?

 

うーん、侮れんな……