いきなりステーキが炎上している。いやウェルダンで頼みましたとかそういう話じゃなくて。
「炎上のせいなのか夕方18:30になっても人が全然並んでないぞ」
夕飯の時、父がそう切り出してきた。
「なんかあったの?」とネットに疎い母が言うと兄がオタク特有の笑みを浮かべながら
「まぁあんなこと言ってたらねwww」とオタク特有の早口で話した。(なんかったのって聞いてんだから何があったのか答えろよ)
「このままだと店がつぶれるから来てくれって張り紙だしたんだって。来てくれるようになんとかするのがそっちの仕事だろって思ったけど」と説明した。
「ネットで燃えててさwwwなんかランカーの人が質が下がったとかなんとかって言ってwwwそりゃ人が減るよなwww」
なんやコイツ。
「閉店も多いもんね」やっと雰囲気がつかめた母がそういった。
「そもそも肉の量り売りがメインの店なのにワイルドステーキばっかり売り出すから客単価が2000円弱くらいになって「あれ?そんなお得じゃ無くね?」って雰囲気になってきたのもあるだろうな」さすが父。妙に鋭い。
「まぁそれでも今まで『ステーキといえば…』って店もあんまりなかったし今は減収くらって大変だとは思うけど、なんだかんだどこかで落ち着くんじゃない?そこであのおっさん(社長)がどこまで反省してどこまで巻き返せるかって感じ」父に負けじと俺も独自の見解を披露した。
オタク特有の顔をしていた兄はいつの間にか真顔で飯を食っていた。
オタク君さぁ……さっきから他の意見に乗っ取ったことしか言ってなくない?だからちょっと話広がると話についていけなくなって浅い奴だって思われるんだよ?
・「あんなこと」を言った
・燃えた
・ランカーの人が意見を言った
以上の話ができてないじゃん。
でも考えてみればインターネットはそうだった。あいつがこういったから炎上した。だからあいつは最低だ。もうこのサービス使わない。上位ユーザーがこういった。だからここはおしまいだ。あの会社は待遇がこうらしい(匿名)。最低だ。などなどなどなど……。
確かに人の意見を見て自分の考えを改めるのは大事だけど、なにも考えずに人の考えを見るとどうしてもこうなってしまう。インターネットの危ない点なんだなって改めて思いました。(小並感)
「まぁでもなんとなく気に入らなくてとりあえず便乗する人とかもいると思うよ。そういう人に振り回されないようにとりあえず見守るのも大事かもね」
そう言ってこの会話を〆た。
以上。