どうして全く計画にない阿蘇に寄ってるんですか?
前回:計画とかきっかけとか
初日
相変わらず大きい荷物は先に気付で旅館に送っているため、空港は軽いカバンひとつという軽装備。
予定にもあるが、今回は初動がとにかく大事で阿蘇空港におりてから黒川温泉行きのバスまで猶予9分。グダるのを許されていないのだ(これを逃すと次は3時間後)
許されていなかったのだが、FDAが20分の遅延を搭乗案内始めてから通知してきた。頼む。そういうのはもっと早く言ってくれ。
さすがにこれはマズいと思いバス会社に電話をしたが「さすがに15分は待てない」とのこと。そらそうだ。1人の無計画なオタクのせいでバスのダイヤが狂わされるのは俺が運転手でも嫌だなって思う。というか俺が申し訳のなさで死ぬ。(それに出発が20分遅れるのはわかっても、到着が何分遅れるかは別の話だし……)
当日キャンセルにより返ってこないバス代2000円を惜しみつつ飛行機に乗った。
予定キツキツになることが分かった地点である程度覚悟していたっちゃあしていたので、早々に開き直って飛行機の中でAmazon Primeで相席食堂を見て時間を潰した。
出鼻をくじかれ若干ガッカリした状態のまま阿蘇空港に着いた。
一応断っておくとこのガッカリした部分も含めて一人旅を楽しんでいるので、嫌な気持ちになったわけでは決してない。
当然バスが待ってくれてないことを確認してからリカバリ案を練るために、バスの案内をしていた女性に隙間を縫って尋ねてみた。
「それ↓ならぁ↑阿蘇に↑行ってみ↑ては如何ですかね?」
感動するくらい訛ってた。それはそれとして阿蘇か。温泉むすめもおるな (結論を先に言うと温泉がある方には行けなかった)このまま空港で3時間潰すより有意義な時間が過ごせそうだ。訛っていた女性は丁寧にもバスの時刻表にメモを取って渡してくれた。あったけぇ……。ということで急きょ阿蘇に向かうことになったのだ。
バスの中で予定表を組む予定だったけど、昼飯の場所決めて阿蘇神社への道のりを調べたあたりで思いっきり車に酔ってしまい、予定も中途半端なまま寝て過ごした。まぁ下呂の時も無計画高山あったし新潟もほぼ計画書き換えたから実質無計画だし阿蘇も無計画で問題ないだろう。むしろちょっとだけ予定決まってるぞ。そんな余裕もあった。
阿蘇は7年前くらいに家族旅行で行ったことがあるという事実だけ覚えているのだが、いかんせん大観荘にいったことと美味しい白玉を食べたこと以外記憶になかったためほぼ初見。とりあえず阿蘇駅は観光案内所も兼ねているっぽかったのでレンタサイクルを利用した。電動アシスト自転車なのに2時間で500円。安い。
バスの酔いも半分くらいしかさめてなかったが、阿蘇の空気と壮大な阿蘇山の景色に心が洗われているうちに酔いもさめた。
ちなみに阿蘇山とは5つの山の総称で「これが阿蘇山!」というのはないらしい。自転車で飛ばして10分くらいして目的地のよかよか亭に到着した。黒川温泉で食べる予定だったあか牛丼をいただく予定だったのを阿蘇で果たそうという魂胆だ。「阿蘇の温泉むすめこと阿蘇ほむらちゃんがあか牛が好物ということはあか牛丼を出してる店がどこかにあるはずだ」という推測だったが、やはりヒットした。温泉むすめの有効活用。
「肉屋直営」という四文字熟語の圧倒的信頼によって即決定されたこの場所は、焼肉屋もやっている肉メインの飲食店で、ランチにあか牛丼、カレー等々を提供している。トラブル続きの旅行だが、やっと休まる時を得ることに成功した。
さすがあか牛は赤身が最高に美味い!!!!!!
あか牛丼を味わい、ちょっとゆっくりしてから阿蘇神社に向かった。阿蘇神社は熱田神宮みたいに周りが街として発展しているわけではなく、阿蘇の住宅街の中にデデンと構えていた。
……阿蘇神社は工事中だった。
熊本と地元愛知県は600km離れているためか、完全に自分の中では2016年の熊本大地震が風化しており、工事してるのは熊本城くらいしかないと勝手に思っていた。自分の無知を恥じるほかなかった。それと前阿蘇に来た時に阿蘇神社に寄っていることが帰ってから分かった。あっれぇ~…ぜんっぜん覚えてないわ……。
後程登場するが、とあるタクシードライバーから実はこの光景がレアな光景であることを教えてもらった。なんでも奥の3つの建物(一の神殿、二の神殿、三の神殿)は年に1回しか公開されてないらしく、見れるだけでもレアだというのだが地震でそれを囲んでいた拝殿が崩れてしまったために毎日見れるようになった……いや、""なってしまった?""というわけだ。
工事完了したらもう一度来る必要があるな。早く工事が終わるように祈りお参りして阿蘇神社を離れた。
阿蘇神社のすぐそばにはちょっとした商店街があり、ちょっとそこで時間調整。阿蘇は湧水の町であり、至る所に沸き水が飲めるスポットが存在する。
無性に喉が渇いてきたのでお土産屋さんでご当地品を探す。色々探ってるうちに蛍丸サイダーなるものを発見した。名刀蛍丸をイメージした若草色のサイダーである。
今思うとこの小指の位置スマホを持ちすぎた現代の若者って感じですね。
問題はこれを買ったときで、QuickPay対応してるからとスマホかざしたら、なぜかリーダーが故障して、仕方ないからついでに万札をくずそうと思って万札出したらレジスターが壊れて、お釣りとして千円札4枚と500円玉11枚と370円が返って財布がパンパンになってしまった。飛行機は遅れ2000円消えて阿蘇神社は工事中で土産屋では機器がぶっ壊れましただぁ?楽しいな(この地点では結構もやもやしてた)
あ、蛍丸サイダーは程よい甘さで美味しかったです。
雨宿り中に調べたけど、阿蘇ほむらちゃん立て看板がある場所に行くには最初に自転車ではなく市バスに乗るのが正解だったことがここで判明した。まぁでもわからなくてもしょうがないね。調べてる途中で車酔いして寝てたし。
雨が上がり探索を再開。途中で猫を見つけた。阿蘇で飼われているいわゆる町猫っぽい。
観光地で可愛がられた結果か知らんがかなり人なれしているらしく、結構近付いても特に逃げることはなかった。
もぞもぞして背中すりすりする猫くそかわえええ~~~~~……………………………
これが阿蘇の名物かぁ…………………………
思い当たることがあり、喫茶店を探した。ここは沸き水が有名な地。ならばコーヒーも美味いのではないか?
と、いうことで時間調整も兼ねてパッと見つけた喫茶店でコーヒーを嗜むことにした。
うーむ。美味い。カウンターで観察していたが、水道からではなくピッチャーで入れてたからやはり沸き水なのだろうか。というかここ本物のかまどがあるじゃん!コストコとかにある「なんちゃってかまど」じゃない!すごい。絶対手入れとかめんどくさいんだろうなぁ……。
喫茶店と阿蘇を後にした。多分俺は阿蘇の1割くらいしか体験してないのだろう。次はきちんと計画に組み込んでいきたいものだ。というか阿蘇ほむらちゃん立て看板を拝んでないし。
ところで阿蘇⇒黒川のバスは、計画では15時ジャストに到着予定である。
本来のスケジュールでは15:15に出るあるホテル行きのシャトルバスに乗って最初の日帰り温泉宿に向かう予定だった。つまりバスが予定通り15時に到着すれば、昼の予定が多少狂っただけで意外となんとかなったという結果になる。
まぁ、結局到着したのが15:15なんですけどね。ダメダメです。バス停降りて焦って周り見まわしたら乗る予定だったはずのシャトルバスが目の前を通り過ぎていって口から魂ぬけた。
さっき「一応断っておくとこのガッカリした部分も含めて一人旅を楽しんでいるので、嫌な気持ちになったわけでは決してない。」とは書いていたが、今回の旅で一番モチベが底に落ちたときだった。もうリカバリを考えるの嫌になってた。
無計画黒川温泉街へ~…とも思っていたが
「あ、タクシー」
そう。なんだかんだで温泉地にはタクシーの駐在所があったりなかったりするのだ。ここから本来の目的地は車で10分くらい。正直金なら出すから俺をスケジュールの波に戻してほしいという気持ちでいっぱいだった。
藁にも縋る思いでタクシーを利用し、なんとかスケジュールを戻すことに成功した。阿蘇神社の話はそのタクシードライバーから情報を受けたものだ。
そして向かった先は旧三愛高原ホテル。現在は瀬の本高原ホテルだ。黒川温泉街から離れてて標高+200mにある星がキレイに見えるホテルである。(行ったのは日中だから星は見てない)ここは九州出身の会社の同期からの情報でなんでも景観がいいらしい。
この辺りではため息も多く、メンタルがヘトヘトだった。早く温泉で癒されたい思いでいっぱいだった。
やっと癒すことができた。流石の絶景に言葉を失う他なかった。ちゃんとライトが控えめだから、夜になっても星空が期待できそうだ。来たの日中だけど。あと温泉にバブルバスってのも意外と珍しいよね。バブルバスは寝ると視線が上に来るように設計されているから、一生空を眺めることができるぞ(ちなみにバブルバスは任意でON/OFFもできるぞ)この日は曇りだけど、それでも景観の良さは黒川一だった。若干移動が面倒だけど、それでも行く価値はある。
こっから黒川温泉を離脱するまでは、外部からの事故によって予定が狂うことはなかった。ホテルのシャトルバスはそりゃ簡単には遅れたりしないか。
三愛高原ホテルは1時間半くらい時間を確保して、1時間入浴30分くらいこの辺うろうろというのが当初の計画だったけど気付いたら1時間半くらいずっと浸かっていた。今までの疲れもあったんだろうね。
というか人すっっっくな。自分含めてここ2人しかいねぇぞ。まだこの時はコロナによる自粛のお願いの直前だけど、もうすでに影響を受け始めてるな……。
温泉街に戻る。というかここで初めて温泉街に足を踏み入れた。
最初の印象としてはさすがというか「統一感」だ。旅館の建て方、配色センスなどがどれも統一されている。だけど全部が全部似たような建造物かというとそうでもなくて、近くにある普通の一軒家や社員寮などがこの統一感に一定のノイズを出しているため、単調ではない妙な味わい深さもある。そんなところだ。(たまに「これ旅館の雰囲気に寄せたな?」って一軒家もある)
良い時間なので早速最初の旅館にチェックインした。一泊目は壱の井という珍しくおひとり様OKな宿の1つだ。それとここは温泉街から若干離れており、単純に湯めぐり手形のルートに組み込みにくかったからいっそ泊まってしまえというのも理由の1つにある。
荷物を置いてもうヘロヘロだ。ヘロヘロで寝て幸せを噛み締めたいところだが、どーせ寝るなら風呂の中。温泉で寝るのは普通に危ないが疲れを癒してもらう必要はある。早速入った。
(撮れなかったので写真省略)
黒川温泉は大体5種類ちょいくらいは泉質があった気がするが、壱の井は単純硫黄泉。なんだかんだ硫黄のにおいがビンビンする硫黄泉は久しぶりでテンション上がった。
早速地方のニュースをチェック。なにか面白い地方色の強いニュースやってないかな~
草。
夕飯を食べた。九州まで飛ぶとなんか和食一つとってもちょっと違うな。なんだ山菜のパイ包みって。しかもめっちゃ美味いし。
真ん中やや右奥が山菜のパイ包み、左手前の包みは豆乳茶わん蒸しである。あと川魚の刺身とか馬刺しとかからしをたっぷり使ったからしレンコンとか。どらクソ美味い牛肉とか。
夕飯をいただいてちょうど夜。温泉街で湯あかりが始まる時間である。
湯あかりとは、手作りの竹灯籠を大量に飾られた和風イルミネーションが彩る温泉街を散策できる冬季イベントである。今回の旅行をこの時期にチョイスした理由の8割がこれになる。
お~~~~~~~~!!すげぇ!!思ったより数が多い!というか向こうの向こうまで光が続いてる!!
これ日中に見るとワイヤーとかが見えるから何とも思わないんだけど、夜になるとワオヤーが見えるわけがないのでこの竹灯籠が宙に浮いているように見えて幻想的に見えるというトリックだ。すげーこれ。
問題はこの湯あかりをキレイに撮るカメラスキルが足りていないことかもしれない。1年弱前くらいの最新機種なんだけどなぁ……。もうちょっと設定とかを確認するべきだった。
ちょっとだけ湯あかりから離れて温泉街をうろうろした。
これ黒川温泉ベストショット。
どうやら黒川温泉には町猫が2匹いるらしく、この猫は顔湯(湯気を顔から浴びるところ)の熱を使って絶好の寝どころとしていた。かわいい…………………………………………。
こうして波乱の初日は幕を閉じた。ホント今回はなかなかこう、刺激的な旅だ。友達連れて行ったら何人か縁切られそう(大げさ)
2日目は大荒れの中プチ登山と手形による連続日帰り温泉である。
以上。
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